Home > camera > カメラの記憶・Contax T2

カメラの記憶・Contax T2

  • Thursday 22, September
  • camera
Contax T2
コンタックスのカメラを一番最初に認識したのは、いつのことだっただろう。

例のAE-1が手元に無くなった後は、しばらくカメラのない生活だったような気がする。高校の頭から始めたバンドに費やす時間が増えていき、写真と過ごしていた時間も徐々に減っていった。最初はスタジオにコンパクトカメラなどを持って行ったりもしたのだけれど、撮るメンツが変わらないから面白くもなんともない(愛する相手なら別だけどさ)。高校卒業〜浪人〜大学と、ずっとバンド中心の生活(実はビリヤードも結構真剣にやってた)だった。今思うと、わいわいと合コンに行ったり、サークル活動でキャッキャウフフとか、そもそもキッチリ勉強とかしとけよ、俺!って思うけれど、アレはアレでイイ青春時代だった(はず)。でも、タイムマシンあるなら高校の俺に「死ぬ気で勉強しろ、頼むからしろ!」って言うなきっと。

高校卒業時の記念にとあるオーディションにでたら、某サブカル系漫画雑誌と同じ名前のバンドの人に面倒を見てもらう事になった。ライブハウスとかホコ天(!)とかにてライブしたり、スタジオ入ったり、デモテープ作ったり。その後、大学3年の時だったと思うが、あるオーディションにて、これまたとある大物作曲家の人に、なぜだかわからんけれど気に入ってもらって、レコード会社に所属することに。本格的にそっちの活動がメインになっていった。小僧相手にも、空前のバンドブームの余波が来ていたのだよなぁ。びっくりするぐらい、給料も貰えてた。漠然と、バンドが仕事になっていくんだと思っていたが、もちろんそんなに簡単なものじゃぁない。大学卒業後は、音楽一本だったのだけれど、結果的には華々しいことは何もなく「おつかれさん」の一言で音楽からは離れる事となった。あそこで、そこにしがみついて続けるほどに、俺は音楽を愛してはいなかったんだと思う。

目の前の道が急になくなり、ハタと気づくと、俺には何のスキルも無いことがわかった。生きていくためにはお金がいる(高校卒業後すでに家は出てしまっていた)ので、とにかく仕事をした。飛び込みの営業、チョイ役ばかりの役者、ゴルフ場のキャディマスター、病院設立にともなう雑務および事務、レストランのホール、SEなどなど様々な仕事に就いた。一番初めに就いた職は自分で探したが、その後は全てそこで関わった人達に紹介されたり、誘われたり。自分には何も無かったが、周りの人達に素晴らしき人が多かった。それは今でも変わらない。そしてこの時期に、結婚もした。子供もできた。その時に、写真を撮ったのがこのContax T2だった。

入手したのは、ゴルフ場で働いている時。メンバー向けのコースの写真を撮るのが目的だった。当時はデジカメ創世記で、ガジェット好きとしては、CASIO QV-10Aなども買って使ったのだが、解像度も含めさすがに厳しい物があった。思えば、この時にデジタルカメラに多少の失望をし、次の機種を買うのを躊躇ったんだと思う(次はOLYMPUS E-300で、そこからGR3まで買ってない!)。結局、フイルムカメラを使うことにしたのだが、一眼レフでは広いコースを回るには大変なので、それなりに写るコンパクトカメラを探して、これにたどり着いた。

なにしろよく写る。ポジを入れて写すと、グリーンの色も素晴らしい。何も考えずにこれだけの写真が撮れるんだ、と感激した。その時は仕事にしか使っておらず、ゆえに遠景のみでの使用だった。「そういえば俺は、写真が好きだったんだよな」と思い出し、会社の人たちを撮ったり、家庭での写真を撮ったりし始めたら、とたんにこのカメラの欠点が見え始めた。撮影最短距離が、なんと70cm。全く寄れないのだ。んでもって、AFの中抜けがしょっちゅう発生する。近接用と遠景用で、フォーカスサークルが二つあるのだが、どうにもならん。室内から屋外を撮るようなシチュエーションでの露出のハズレも大きかった、盛大に白トビする。デジカメと違い、現像・プリントを経て、やっと失敗がわかるから落胆もでかい。

しかし、これらの欠点は使っているうちに対応できるものだった。一番厄介なAFの中抜けは、二つのサークルの交わる部分から、ちょっとだけ破線の方のサークル(近接用)に寄った部分でAFロックしてやると、まず抜けることはなくなった(個体差もあったらしいけどね)。露出のトビは、その時々で補正してやればいい(ダイヤルの出来が良く、とても補正はしやすい)し、露出変えて何枚か撮ればイイ。問題は撮影最短距離だ。こればっかりは、どうにもならないので、その距離をつかむしか無い。でも、これは俺にとっては、とてもいい勉強になった。今まで、一眼レフではとにかく寄って、ボカして気持ちよくなっていたのが、全体を見て、構図を考えて、ということをするようになったのだ。まぁ、最終的には日の丸にもどるんだけどね。でも、寄るだけじゃないんだぜ、っていうのを覚えたのはこのカメラ。

チタンを使った外装は、手にしっとりとなじむし、レンズがせり出すギミックや音も、ガジェット好きの心をくすぐる。シャッター音も小さくてイイのよね。凸面の少ないデザインもシンプルでいい。38mmという絶妙な画角と最短70cmというのは、俺が人を撮るのにメチャメチャ好きな構図になったし、f2.8と当時のコンパクトでは明るいレンズなのもよかった。PRESTOとの相性もすごくよくて、昼でも夜でもキレイなトーンを作ってくれた。そして、その解像感と立体感は圧倒的。自分の撮った写真で、モノやヒトが浮きだして見えたのは、このカメラが初めて。そしてそして!女の子が本当にキレイに写るカメラなのだ。これホント!気がつけばスンナリと、俺の最初の鞄カメラに。海外に行くときも常に一緒だったなぁ。恐らく、こいつか後の鞄カメラのRicoh R1sかが、俺内フイルム消費量No1カメラだろう。そういえば、店のレジ横に飾っているタイの公衆電話の写真も、これで撮ったものだ。AFは遅いし、それなりに重いけれど、今でも十二分に使える。

稼働率はかなり落ちたものの、今でも防湿庫にいる数少ないメンバーの一員、そんでもって大好きなカメラなのだった。

Comments:0

コメントはありません。
Comment Form
Remember personal info

Trackback:0

TrackBack URL for this entry
http://ponyboy.org/sb.cgi/7
Listed below are links to weblogs that reference
カメラの記憶・Contax T2 from ponyboy.org
トラックバックはありません。

Home > camera > カメラの記憶・Contax T2

Search
Feeds
Links

Page Top